朝が好きだった

無職からようやく漕ぎ着けたバイトの初日に寝坊して「あんた終わりだよ」と母親に吐き捨てられた朝、胸中で「仕方ないじゃん、うまく眠れなくて、飲んだらいけない量の薬隠れて飲んでんの、知ってよ」と絶叫したまま、俺は幸せがほしくてほしくてたまらなかった。

コーヒーだけ注いで、底が浅いからこぼしながら 紙コップ持って向かった薬局の途中の妙に名残惜しい 公団のにぎわい