明るい部屋の日々

午前7時にアラームが鳴る。その5分前に目は覚めている。すぐにアラームを止めて布団をたたむ。洗顔、歯磨き、換気、着替え。パジャマは畳まずに押し入れに放る。しわくちゃのパジャマが好きだから。外に出て、家の前に群生しているタンポポを数枚ちぎる。そいつを寝室の亀に与える。「意味ないよ」と言いながら家中の床に掃除機をかける。ゆうべ作った小松菜の炒め物を箸でつつきつつ、2分だけテレビを見る。テレビを切る。引き続き食べながらコーヒーを淹れる。誰もこの行儀の悪さに文句を言わない。この家に人はひとりだから。コーヒーが尽きると少し寝て、パソコンを立ち上げる。会議、作業、会議、会議。昼食はシリアルにプロテインをかける。「朝食みたいやな」と声に出す。独り言は一日に3回まで。バルコニーに亀を出して一緒に遊ぶ。亀をしまう。作業、会議、作業、作業。夜はカレーを作る。お酒を飲みながらそれを食べる。お風呂、歯磨き、また2分だけテレビ。しわくちゃのパジャマに着替える。日付が変わろうとしている。薬を飲む。薬を飲まなくても眠れる日が、最近ある。普通ではないけれど、これでいい。「いいんだぜ、おやすみ」と言った。